「セールスというアートをサイエンスし、日本の営業をアップデートする」マツリカの中谷氏が語るpickuponを使った法人営業

営業の7〜8割はサイエンスである。つまり、売れる営業の型ができれば、誰もがある程度は売れるようになる。センスではなくサイエンス。自ら実践するサイエンス型営業で組織を牽引する、株式会社マツリカの中谷真史さんにpickuponの活用ポイントを伺いました。


中谷氏について

 新卒で入社した外資系製薬会社で、MRとして約1000人中1位の営業成績を出す。その後はコンサルティングファームにて営業改革コンサルプロジェクト等で実績を積み、独立。

 Sales Science Lab, Inc. を創業。「セールスというアートをサイエンスし、日本の営業をアップデートする」をモットーとし、住宅・不動産、金融、ITスタートアップなど幅広い業種の企業への営業支援実績を持つ。

 同時に、2018年10月株式会社マツリカにjoin、CSM部門のマネージャーを経て2020年1月にセールスマネージャーに就任、短期で営業改革と売り上げアップを実現させ、2020年7月からは執行役員としてマーケティングおよびセールス組織を管掌する。


目次

  • 営業というアートをサイエンスする
  • お客様に対して多くの接点を持つメリット
  • pickuponを導入して効果を生むポイント
  • 中谷さんがpickuponの営業だったとしたら、どう売る?


営業というアートをサイエンスする

ーーひと昔前の属人的な営業と今の営業スタイルの大きな違いは何でしょう?

 大きく2つあります。一つは、「The Model」(注釈※1)にあるような分業プロセスにおける、組織としての体制の違い。これによって、営業といわれる職種のスコープが絞られてきています。もう一つは、デジタルなデータが揃う時代になってきていることですね。この二つがポイントだと思っています。

 今までは、「売上」という結果指標ばかりを追う組織が大半でした。中間指標があったとしても、アポイント・コール件数という活動の数くらいですかね。今は、プロセスのデータがより取得できるようになっています。

 売上目標数値が最終ゴールとしたときに、必要な4つの変数「商談数」「成約率」「リードタイム」「平均単価」が揃います。

 さらにデジタルである価値として、営業組織・営業パーソンの変化量/率が見える点が挙げられます。これが、システムを導入する意義ですね。

ーーインサイドセールスチームを立ち上げる企業が増えていますが、昔ながらの電話営業と何が異なるのでしょうか。

 多くの企業がwebマーケティングに力を入れることで、HPやコンテンツからインバウンドが取りやすくなっています。つまり、最初から顧客の情報を持った状態で電話ができます。

 これまでは、通り一辺倒のトークスクリプトで良かったのが、顧客を知った上で精度の高い仮説を立て、より深い話をすることが求められています。

 顧客から担当者として気に入って頂き(好感獲得)、その上で有益な情報を話して頂ける関係性を作らなければならないのでので、インサイドセールス にも専門性が求められます。

自分への信頼、会社への信頼、サービスへの信頼、さらに顧客の課題にマッチしていると認識させるとなると、商談した1時間で全てをクリアするのは難しいです。なので、次に繋がる分岐点でコンペの土俵に残ることが大事になります。

なので、初回商談で商談を落とさないため、初回商談の質を高めるためにストーリーメイクをするんです。

ーー逆に、仮説がないまま商談すると、失注率が上がりますか?

 もちろんです。顧客にもよりますが、商品を購入する前提での商談においては、初回商談が最も大事です。5−6社ものサービスを比較検討することが多くある中で、ランク5位になっていると、次回の訪問時にはもう他社で決定している。

 顧客の中で1−2位の位置付けに入るためには、初回訪問の時点で業界情報も把握した上で、具体的なイメージを想起できる会話をする必要があります。

 例えば住宅業界の場合、展示場来客からの着座率、着座率から次回アポイント獲得、成約率・粗利率等など、その業界ならではの知識を外部から情報として持った上で仮説を立てることで信頼を構築していくことができると考えます。

ーーストーリーメイクの内容を教えて下さい

「全体の方向性(シナリオ)」「商談のゴール」「顧客の潜在的な課題(仮説)」「聞くこと」「今後に向けて握るべきこと」「インサイトを提供できるポイント(プロとしてのポジション獲得)」「インサイドセールスへのフィードバック」です。

 ゴールは、例えば「決裁者や意思決定者を把握し、その右腕の方とのアポを獲得する」など、顧客によってかなり変わってきます。


お客様に対して多くの接点を持つメリット

ーー営業をプロセスで分業化するスタイルに、良い効果はありますか?

 一人で全部を担当すると、自分対お客様という一つの面しか持てません。

インサイドセールスとお客様、お客様とフィールドセールス、さらにマネージャーが全体を見る。いろいろな視点が入ることで、多角的に顧客を理解していくことが可能になります。

 弊社ではpickuponを使っているので、お客様情報の橋渡しができていて、漏れがありません。

 インサイドセールスが適切なヒアリングをしていれば、競合の有無、予算、人のタイプ(ソーシャルタイプ)、従業員規模、課題の種類などの顧客属性が見えるようになります。

自分一人でプレーヤーとして営業していたころとの大きな違いですね。

ーー少し意地悪な質問をさせて下さい。初回のヒアリングは5分〜10分ぐらいと長く話せないと思いますが、そこで有益な情報は得られるものなのでしょうか?

 はい、相当重要な情報が得られますよ。電話している相手が何者なのか、BANTなども細かく確認をしています。会社として検討されているのか、個人的な興味の範囲なのかも把握します。弊社のインサイドセールス の優秀さが、pickuponを使ってわかりました。

 ヒアリング内容も、最初はBANT情報だけだったのが、pickuponを使って、「ここでもっと聞けるよね」「こんな聞き方をした方が良い」と、社内でのコミュニケーションで大きく変化しました。

ーーpickuponがポジティブなコミュニケーションのハブになっている、嬉しいです。

pickuponがないと、正しいフィードバックはできないので、本当に助けられています。


pickuponを導入して効果を生むポイント

 pickuponは本当に本当に、単なるツールとして使っては絶対にダメです!情報を共有しなくては、というただの問題・事象に対する打ち手として使われてしまうと価値が出ず、ただの録音ツールになってしまいます。

 そうではなく、どういうシナリオ描いてどんな組織にしたいのか。マネージャーが鮮明に見えていて、実行しないと効果を発揮しません。それは弊社のSensesも同じですよ。

 「ただ利用する」のではなく、人や組織のレベルを上げ、売上を上げるための使い方をするためには、マネージャーのビジネスリテラシーが求められます。

つまり、このツールの特性は何で、自社の課題は何で、どのように活用すると、どのような効果を出せそうなのか。この絵をマネージャーが描くことが求められるという話です。

ーー新規のお問いわせで、せっかくpickuponを使ってもフィールドセールスが音声データを聞いてくれないといったお悩みをよく聞きます

 本当に売れる営業は逆ですよ。事前に情報がある状態の価値をわかっているので、BANT情報もあり、声色から人の性格も予想できる。この二つの情報が揃っているなら聞かない理由もないと思います。せっかくある音声データを聞かない営業は今後、相対的に売れない営業になっていくでしょうね。

ーーpickuponのテキスト化で文字の崩れた箇所(注釈※2)について気になりますか?

 全く気になりません。 お客様情報がSFAのSenses(ストック型の情報)に入っている。それに対して、どんなことが聞けたかという生の情報がpickuponにある。この両方を合わせると商談の未来がある程度見えてしまいますね。

 pickuponでサマリーを読んで(注釈※3)、案件として熱そうなものはpickuponを全部聞く。熱くなさそうでもある程度情報が聞けているものも聞く。熱そうでもなく、情報も全然聞けてないものは聞きません。


※ いつもどの様に使っているか見せていただきました。


ーーpickuponがない世界だとどう代わりますか?

 なければないで、何とかやっていくでしょう。ただ、今より著しくパフォーマンスが落ちます。まず、必要情報が集まらない。テキスト情報のみだと、各人の主観が入り、得たい情報を得たい鮮度で得られない。隠れている情報に対して不安を持った状態で仮説を立てるしかない。

 レベルの高いことを求めるほど、課題として顕在化されるはずです。

 今は聞きたいことが聞けていて、温度感と共に目と耳で確認し、精度の高いストーリーメイクができているので、ないと困ります。


中谷さんがpickuponの営業だったとしたら、どう売る?

ーー最後にご相談です。中谷さんがpickuponの営業だったとしたら、どう売りますか?

 ターゲットとしては、大企業で完成されたサービス・型化された営業スタイルを持った企業以外全部です。特に、インサイドセールスを持っている組織。かなり広いですよね。その中でどう売るか。

 pickuponだけで効果を生むことは難しい。 pickuponの情報がCRM、 SFA に入ることでその情報が生きる。

 私だったら、導入顧客に事例としてpickuponがある場合とない場合のクローズレート、リードタイムの差分データを出してもらって、それを基にROIがこれだけ出せますよ、という事例を武器にします。

 その上で、顧客にやりたいことをヒアリングし、現状とのギャップを説明して解決策の絵を描きます。

 企業の中の営業組織として見たときに、上位プロセスであるインサイドセールスの改善が最も効果が大きい。

そこに対して知見のある組織はまだ少ないため、プロフェッショナルなポジションを作り上げられるはずです。

 インサイドセールスを蔑ろにしている組織は実は多く改善余地は大きいので、ちゃぶ台をひっくり返す勢いで攻めていくべきです。

 CTIの営業ではありますが、インサイドセールスから営業そのものがかくあるべし、を語れる人材である必要があると思います。


注釈)

※1: 「THE MODEL」:米国で発達した営業分業プロセスの手法。

※2: 文字の崩れた箇所:pickuponは通話内容を全文テキスト化するが、重要でない発言(特にセールスサイドの発話内容)はテキスト化が不完全である。

※3: pickuponでサマリーを読んで:顧客側の重要そうな発言は高い精度でテキスト化され、さらに自動でピックアップするため、重要なサマリーを見つけやすい。


参考)